大阪天満宮

大阪天満宮の基本情報

大阪の天神橋にある天満宮です。

大阪の人からは「天満の天神さん」として親しまれており、初詣やお祭りの時期になると多くの人で賑わう有名な神社です。

特に毎年7月24日、25日に行われる天神祭は日本3大祭、大阪3大夏祭りのひとつして知られています。

学問の神様「菅原道真」を祀っており、受験生と見られる学生さんとその親御さんが一緒にお参りしている姿をよく見かけます。

正式名称大阪天満宮(おおさかてんまんぐう)
英)Osaka Tenmangu
通称天満の天神さん(てんまのてんじんさん)
所在地〒530-0041
大阪府大阪市北区天神橋2丁目1−8
電話06-6353-0025
参拝時間(開閉門)9:00~17:00
社務所・授与所受付時間9:00~17:00(ご祈祷の受付は16:30まで)
公式サイトなどhttps://osakatemmangu.or.jp/
https://www.facebook.com/124207097629420/
創建天暦3年(949年)
旧社格府社
別表神社
系列・信仰天神信仰
神社めぐり神仏霊場巡拝の道第50番(大阪9番)
なにわ七幸めぐり
菅公聖蹟二十五拝

由緒・歴史

645年の乙巳の変後に即位した第36代天皇「孝徳天皇」は、都をそれまでの奈良の飛鳥から難波に移し、難波長柄豊碕宮を造営します。

その西北に守護神として白雉元年(650年)に創建されたのが大阪天満宮の始まりとなる大将軍社です。

延喜元年(901年)、菅原道真が太宰府へ向かう途中に大将軍社へお参りし、旅の安全を祈願されました。

延喜3年(903年)に菅原道真が死去、その後、天暦3年(949年)に大将軍社に一夜にして7本の松が生え、霊光を放ったという話が都に伝わりました。

その話を聞いた第62代天皇「村上天皇」の勅命により、大将軍社の地に天満宮を建立し、菅原道真公を厚く祀りました。

大将軍社は摂社として大阪天満宮の境内に祀られています。

ご祭神

菅原道真

主なご利益

合格祈願・学業成就
交通安全
商売繁盛

主な祭礼、行事

日程行事
1月1日歳旦祭、大将軍社払暁祭
1月2日日供始祭
1月3日元始祭
1月7日七草祭、昭和天皇遙拝式
1月9日~11日天満天神えびす祭
1月15日とんど神事
1月24日・25日初天神梅花祭、うそ替神事 献書展
2月2日節分祭、霊符社鎮魂祭
2月4日立春祭
2月上旬なにわ七幸祭
2月8日白米社例祭、吉備社御針祭
2月11日紀元祭
2月23日天長祭
2月25日祈年祭・余香祭
3月12日白太夫社例祭、老松紅梅社例祭
3月25日例祭(菜花祭)、筆塚祭
4月1日入学感謝祭
4月1日、2日白米社初午祭
4月2日松尾社例祭
4月3日難波之碕顕彰祭
4月25日鎮花祭、春季祖霊祭
4月29日昭和祭
5月17日東照宮例祭
6月15日八坂社例祭
6月17日宇賀社例祭
6月30日住吉社例祭、大将軍社道饗祭
7月7日天満天神七夕祭
7月24日天神祭宵宮祭、鉾流神事
7月25日天神祭本宮祭、陸・船渡御
8月10日妻社例祭
8月15日坊城社例祭
9月中秋名月秋思祭、秋季祖霊祭
9月15日八幡社例祭
10月10日末社黒土祠例祭
10月17日神嘗奉祝祭、末社神明社例祭
10月25日秋大祭、流鏑馬神事
11月3日明治祭
11月8日白米社秋祭
11月15日七五三奉賽祭
11月16日吉備社例祭
11月18日十二社例祭、竈社例祭
11月25日新嘗祭
11月下旬献茶式、鎮火祭
12月9日地久祭
12月中旬御煤払式
12月25日終天神(絵馬焚上げ)、献湯大祭
12月31日大祓式、御門祭、大将軍社道饗祭、除夜祭

御朱印

大阪天満宮の御朱印

大阪天満宮では直書きと書き置きの御朱印から選べます。

持参した御朱印帳などに直書きしていただく場合は上記のようなシンプルな墨書きの御朱印です。

書き置きの場合はカラーで少しカラフルな御朱印をいただけます。

どちらも初穂料は500円です。

また天神祭や大嘗祭、お正月など大きなお祭りなどのイベントのときには限定御朱印が登場することもあります。

ご祈祷・儀式

各種ご祈祷の受付は当日、授与所にて直接申し込みです。

事前の予約はできません。(法人・団体の場合は予約必須。)

受付は9:00~16:30までです。

ご祈祷の種類受付可否初穂料
お宮まいり1万円
七五三6,000円
厄祓い6,000円
車のお祓い
神前結婚式お問い合わせ

上記以外にも家内安全、病気平癒、良縁祈願などご希望に応じたご祈祷を受けられます。

特に合格祈願・学業成就のご祈祷が人気です。

企業・団体祈祷

業績向上、業務安全、商売繁盛、工事安全など各種祈願祭も受け付けています。

事前に予約が必要です。

初穂料は3万円~。

出張祭典

お問い合わせください。

行き方・アクセス

電車・バスでの行き方

JR東西線「大阪天満宮駅」より徒歩2分
大阪メトロ谷町線・堺筋線「南森町駅」より徒歩4分

車での行き方・駐車場

約20台の無料駐車場があります。

駐車場を目指す場合、カーナビの住所は「大阪市北区天神橋1-18-19」に設定しましょう。

駐車場へは南側の蛭子門から入ります。

蛭子門の幅は236cmです。

車幅が大きい車や運転が苦手な人は注意しましょう。

境内のご紹介

大阪天満宮の境内はとても広く、国や大阪府の重要文化財など見どころが多くあります。

本殿・幣殿・拝殿

社殿は拝殿・幣殿・本殿がひとつの屋根でつながった権現造の社殿です。

天保8年(1837年)の大塩平八郎の乱で全焼し、弘化2年(1845年)に再建され今に至ります。

本殿の裏には賽銭箱が置かれこちらからも拝礼できます。

登竜門

幣殿の左右の入り口には唐門があり、中国の龍門の故事にちなんだ鯉と龍の図柄の金燈籠があります。

龍門とは中国の黄河上流にある激流で、鯉がこの激流を登り切ると龍になれるという伝説から、登竜門ということわざができました。

登竜門をくぐれば鯉が龍になるように、険しい道を登りきり、立身出世や試験合格などのご利益を得ることができます。

普段は登竜門をくぐることはできませんが、1月~3月にかけて例年8日間ほど「通り抜け参拝」として、登竜門をくぐれる日があります。

神楽殿・参集殿・梅花殿

神楽殿は一般公開はされていませんが、ご祈祷を申し込んだ方は入ることができます。

1999年(平成11年)に参集殿・梅花殿とともに国の有形文化財に登録されました。

参集殿は大阪天満宮で結婚式をあげる方の披露宴会場として使われています。

大阪天満宮で結婚式をあげる方は梅花殿で神前式を挙げ、渡殿を通り本殿にて奉告参拝の儀式を執り行う流れとなっています。

梅花殿は参集殿の奥にあり外観も屋根くらいしか見えません。

こちらが梅花殿・参集殿から本殿へ至る渡り廊下「渡殿」です。

出入り口(門)

大阪天満宮には正門となる表大門が南側にあり、その西側に駐車場の入り口にもなっている蛭子門があります。

さらに境内の北側にも鳥居が2つ、東側に門が1つあり、計5つの出入り口があります。

こちらが南側にある一番大きくて立派な神門「表大門」です。

門の下に入り上を見上げてみると、大きな注連縄と十二支方位盤があります。

十二支方位盤では酉の部分が「鶏」ではなく「鳳凰」になっている点に注目です。

歌舞伎、文楽でおなじみの「菅原伝授手習鑑」の2段目「道明寺」で道真公が詠んだ有名な一首に由来しています。

「鳴けばこそ 別れを急げ鶏(とり)の音(ね)の 聞こへぬ里の暁もがな」

(鶏が鳴いてしまうからこそ、別れを急ぐことになってしまう。夜明けにその声が聞こえない里であればどんなによいであろうか)

道真公は無実の罪で太宰府へ流刑される道中、叔母の覚寿(かくじゅ)へ別れを告げるため道明寺を訪れます。

2人は別れを惜しみますが、鶏が鳴き、朝になってしまったので発たねばならない。

夜明けに鶏が鳴き声が聞こえない里であればよかったのに。

そのような気持ちを詠った一首で、この逸話から菅原道真公にゆかりの寺社等では酉のモチーフに鶏を使わず鳳凰を使っています。

こちらは北側の鳥居です。

最寄り駅の「南森町駅」や「大阪天満宮駅」から歩いてくるといちばん近いのがこちらの入り口になります。

摂末社

大阪天満宮には摂末社が境内・境外に19社もあります。

たくさんあるのでエリア別に紹介していきます。

境内の北西エリア

本殿の北西、北側の鳥居がある付近には「摂社 大将軍社」「神明社」「蛭子遷殿」「十二社」の4社の摂末社があります。

摂社 大将軍社

白雉元年(650年)、難波長柄豊崎宮の守護社として創建された神社です。

延喜元年(901年)、菅原道真公が太宰府への道中に旅の安全を大将軍社に祈願した由縁から、当地に天満宮が創建されました。

現在は大阪天満宮の摂社として当地に鎮座しています。

御祭神八衢比古神(やちまたひこのかみ)
八衢比売神(やちまたひめのかみ)
意冨加牟豆美神(おおかむづみのかみ)
久那斗神(くなどのかみ)
ご利益牛馬守護
五穀豊穣
厄除け
道中安全
神明社

大将軍社の西隣に鎮座するのが神明社です。

伊勢神宮の内宮・外宮の御祭神「天照皇大神」と「豊受皇大神」を祀っています。

小さいながらも神明鳥居と神明造の社殿が建っています。

御祭神天照皇大神
豊受皇大神
ご利益国家安寧
五穀豊穣
蛭子遷殿

十日えびすで有名な商売繁盛の神様「蛭児大神」を祀っています。

もともとは蛭子門のあたりにありましたが、この場所へ移されました。

普段は本社の相殿神として菅原道真公とともに祀られていますが、十日えびすの際にはこちらの遷殿へやってこられるとのこと。

御祭神蛭児大神(ひるこのおおかみ)
ご利益商売繁盛
海上安全
漁業
十二社

菅原道真公と同じように非業の死を遂げた人物や菅原道真公に関連する神様など12柱が祀られています。

御祭神吉備聖霊
早良親王
藤 夫人
伊予親王
火雷神
火産霊神
埴山比売神
天吉葛神
川菜神
藤原廣満霊
橘逸勢霊
文太夫霊
ご利益

境内の北エリア

境内の北側、本殿から北北東くらいの場所には白米稲荷社をはじめ5社が鎮座しています。

白米社(白米稲荷社)

「てんまのお稲荷さん」として地域から親しまれています。

伏見稲荷大社の奥院と称されています。

中には「狐、天狗の爪研ぎ石」とされる石があります。

大阪天満宮に5つある出入り口のうちひとつは白米稲荷社の赤鳥居です。

御祭神稲荷大神
ご利益五穀豊穣
商売繁盛
稲荷奥宮

白米稲荷社の隣には「稲荷奥宮」があります。

こちらが稲荷奥宮の社殿。

狐さんもいます。

御祭神稲荷大神
ご利益五穀豊穣
商売繁盛
八坂社

スサノオノミコトを祀る八坂社です。

もともと北区の天神西町にあったお社を天満宮境内へ遷座されました。

御祭神素盞雄命(すさのおのみこと)
ご利益厄除け
妻社

大己貴大神を祀っている小社です。

もともとは渡辺橋北詰にありましたが、廃れてしまっていたので再興するために、昭和22年9月に天満宮へ移転されました。

御祭神大己貴大神
ご利益縁結び
亀吉・鶴姫大明神社

鶴姫大明神、亀吉大明神は古事記などの神話には登場する神ではなく詳細は不明です。

おそらく健康長寿の神様のような感じで民衆の間で信仰されていたのでしょう。

辨財天(べんざいてん)は七福神の1柱で、学問、芸術、金運アップ、商売繁盛などの神様です。

御祭神鶴姫大明神
亀吉大明神
天満辨財天
ご利益健康長寿
金運アップ
住吉社

海の神様「住吉三神(底筒男命(そこつつのおのみこと)・中筒男命(なかつつのおのみこと)・表筒男命(うわつつのおのみこと))」を祀っています。

住吉大社と同じく社殿は西(大阪湾)の方向を向いており、海の安全と漁業、海運など海にかかわる産業の発展を見守っています。

御祭神住吉三神
ご利益海上安全
交通安全

境内の北東エリア

ちょうど梅花殿の北側にあたる北東エリアには、霊符社をはじめ4社の末社が並んでいます。

霊符社

日本神話(古事記)において一番最初に登場する神「天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)」を祀っています。

御祭神天御中主神(あめのみなかぬしのかみ)
ご利益
松尾社

御祭神は大津市の日吉大社、京都市の松尾大社に祀られている「大山咋神(おおやまくいのかみ)」です。

御祭神大山咋神
ご利益厄除け
子孫繁栄
産業繁栄
八幡社

源氏が守護神として信仰した勝利の神様「応神天皇」を祀っています。

御祭神応神天皇
ご利益必勝祈願
立身出世
吉備社

菅原道真公と同じく学者出身で大臣にまで出世した吉備真備公を祀っています。

吉備真備は遣唐使として2度、唐へ行き、日本へ初めて裁縫技術を伝えた人としても知られています。

そのことにちなんで毎年2月8日には吉備社では「お針まつり」が斎行されます。

御祭神吉備真備公
ご利益必勝祈願
立身出世

境内の南西エリア

蛭子門を入ったあたりの境内の南西エリアには度会晴彦氏や梅の霊など、菅原道真公にゆかりのある神が祀られています。

老松社紅梅殿・白太夫社

蛭子門を入ってすぐ左側にあるのが「老松社紅梅殿」と「白太夫社」です。

左側が「老松社紅梅殿」で、菅原道真公が愛した「梅の霊」が祀られています。

右側が「白太夫社」で、度会晴彦が祀られています。

度会晴彦は、菅原道真公の養育係として幼少の頃より道真に仕え、道真が太宰府へ流された際にも付き従いました。

ちなみに度会晴彦は若い頃から白髪だったため、白太夫と呼ばれていたため白太夫社とされています。

老松神社

蛭子門を入った右側にあるのが「老松神社」です。

神功皇后が九州筑紫より帰航する際、風や波を大きな松の木に助けられたことから、松の樹下にお社を建てたことがはじめりとされています。

もともとは旧北区老松町3丁目にありましたが、平成2年(1990年)に大阪天満宮境内に遷座しました。

境外

境内の北エリアの第二文庫や神輿庫などが建っている所にある門を出ると、祖霊社などが建つ境外社エリアがあります。

鳥居をくぐると小さな池「星合池(通称:亀の池)」があり、「星合橋(ほしあひはし)」という橋がかかっています。

この橋で出会った男女は結ばれるという言い伝えがあるそうな。

祖霊社

先祖の霊を祀る祖霊社には、かつて大阪天満宮に神職や氏子、崇敬者の霊が祀られています。

菅原道真公没後1,080年を記念し、大阪天満宮に縁故が深い方々の業績を顕彰し、子孫の繁栄を記念するために、1982年(昭和52年)に建立されました。

宇賀社

祖霊社に向かった右手に鎮座するのは宇賀社です。

星合池の案内に「昭和の初めまで、池には宇賀の社があり~~」との記載があるので、かつてあった宇賀の社を再建したと思われます。

髙坐招魂社

「髙坐」とは、寄席で芸を演ずるために客席よりも一段高くなっている舞台である「高座(こうざ)」から来ています。

上方落語の復興に尽力した落語家たちの霊を祀るため、2017年(昭和29年)に上方落語協会によって建立されました。

大阪天満宮の北鳥居を出たすぐに上方落語の定席「天満天神繁昌亭」があります。