綱敷天神社(北野天神)

綱敷天神社の基本情報

鳥居の扁額

第52代天皇「嵯峨天皇」と学問の神様「菅原道真公」を祀る梅田に鎮座する神社です。
嵯峨天皇を祀る唯一の神社です。

総本社は神山町にありますが、その由緒から茶屋町に御旅社、角田町に歯神社と飛び地で境外社が鎮座しています。

繁華街にあるため祭りの時期などにだんじりが練り歩くようなことはなく神事のみとなっていますが、稲荷社も境内にあることからかキタで会社を経営する方や商売人、ビジネスマンも参拝に訪れるなど氏地の崇敬を集めています。

「梅田」や「キタ」といった馴染みのある地名の由来になったとの由緒もあり、平安時代から続く歴史ある神社です。

正式名称綱敷天神社(つなしきてんじんしゃ)
英)Tsunashiki Tenjinsha
通称北野天神(きたのてんじん)
喜多野天神(きたのてんじん)
喜多埜天神(きたのてんじん)
旧名神野太神宮
所在地〒530-0026
大阪府大阪市北区神山町9−11
電話06-6361-2887(総本社)
06-6371-1586(御旅社)
参拝時間(開閉門)午前6時頃~日暮頃
授与所受付時間受付休止中
ご家族の介護のため授与所は休止中とのこと。
御朱印は茶屋町の御旅所で受付。
公式サイトなどhttp://www.tunashiki.com/
https://twitter.com/tunashiki
https://www.facebook.com/tunashikitenjinsya/
創建承和10年(843年)
旧社格郷社
系列・信仰天神信仰
神社めぐり

由緒・歴史

由緒書き

弘仁12年(821年)、第52代天皇「嵯峨天皇」の勅願により空海を開基とし「太融寺」が建立されました。

その翌年、弘仁13年(822年)には嵯峨天皇がこの地へ行幸され、現在の綱敷天神社の総本社のある神山町へ頓宮を構え一宿されました。

嵯峨天皇が崩御された翌年、承和10年(843年)に皇子 源融公が嵯峨天皇を追悼するために太融寺へ七堂伽藍を建立します。

さらに嵯峨天皇を祀る社殿として「神野太神宮」を一宿された際の頓宮跡に創建しました。

この「神野太神宮」が綱敷天神社のはじまりです。

太融寺

時は流れて昌泰四年(901年)、左遷された太宰府への道中の菅原道真公がこの地で咲いていた紅梅に目を奪われ立ち止まりました。

罪人の扱いであった道真公には座る座も用意されなかったので、不憫に感じた地元の住民が船と陸とを繋ぐ艫綱を円く円座状に敷いて即席の座席としてご用意しました。

道真公はその座に座りしばし紅梅を眺めていたと言います。

この故事が綱敷天神社の「綱敷」の由来となりました。

出発する際に京都よりお供してきた度会春彦の一族、孫の春茂ら6人にこの地へとどまるように命じ、白江という姓を与えました。

これが現在も神職として綱敷天神社を守り続ける白江氏の由来です。

白江氏は道真公が旅立った後、紅梅の樹の下に小祠を構え、梅塚天満宮として御影と御綱を祀りました。

正暦四年(993年)、冤罪の晴れた菅原道眞公の御神霊に対し、朝廷より正一位が追贈されました。

さらに嵯峨天皇のご廟社であった神野太神宮の地に白江氏の祀る梅塚天神を合祀し、北野(喜多埜)天神の御社殿が建立されました。

もともと梅塚天神があった地にはいわゆる神様の別荘である御旅所となりました。

北野(喜多埜)は、道真公が祀られていた京都の北野天満宮にならったと言われていますが、もともと喜多埜と呼ばれる地名であったとも言われており詳細は不明です。

その後、鎌倉時代から戦国時代には幾多の戦乱に巻き込まれましたが、社殿を再興し江戸時代~明治時代にかけて大阪の発展とともに、梅田キタの氏神様として多くの崇敬を集めることとなりました。

ご祭神

嵯峨天皇
菅原道真公

主なご利益

平安豊饒
筆法上達
合格祈願・学業成就
冤罪救済

主な祭礼、行事

日程行事
1月1日歳旦祭
1月2日筆始祭
1月3日元始祭
1月7日若菜祭
1月15日御粥祭(とんど祭)
2月3日節分祭
2月11日紀元祭
2月15日例年祭
2月25日梅花祭
5月5日玉姫稲荷例祭
5月15日喜多埜稲荷例祭<br>白龍社例祭
6月4日歯神社例祭(歯ブラシ感謝祭)
6月25日御誕辰祭
6月30日夏越大祓
7月6日、7日七夕祭(御旅社)
7月15日例祭
10月15日秋祭(菊花祭)
11月23日新嘗祭
12月31日年越大祓<br>除夜祭

御朱印

天皇・皇室の家紋である十六菊紋と天神さんでおなじみの梅紋(星梅鉢紋)が入っています。

ご祭神である嵯峨天皇と菅原道真からですね。

御朱印は総本社ではいただけません。

御朱印は綱敷天神社 御旅社のみでの受付です。

ご祈祷・儀式

希望日の5日前までに電話(06-6371-1586)にて予約すれば、拝殿に昇段し各種ご祈祷を受けられます。

ご祈祷を受ける場合、当社の無料駐車場を利用できます。

拝殿では最大で25名までご昇段できます。

ご祈祷の種類受付可否初穂料
初宮参りお問い合わせ
七五三5,000円
厄祓い5,000円
車のお祓いお問い合わせ
神前結婚式

その他、家内安全、病気平癒、良縁祈願など様々なご祈祷を受けられます。

予約時にご希望のご祈祷をお伝えしましょう。

初穂料はご祈祷内容によっても異なるため事前にお知りになりたい方は予約時にお問い合わせください。

企業・団体祈祷

企業・団体祈祷の場合、1週間前までの予約が必要です。

大安などを選ばれる場合はできるだけ早めに予約をしておきましょう。

商売繁盛、事務所開き、神棚祭などご希望に応じて様々なご祈祷をお受けできます。

出張祭典

地鎮祭、上棟祭、工事安全祈祷など、神職が現地へ赴く出張祭典には1週間前までの予約が必要です。

出張範囲は当神社の氏地となります。(氏地のご確認はこちら

詳細はお電話にてお打ち合わせください。

行き方・アクセス

電車・バスでの行き方

市営地下鉄谷町線「中崎町駅」3番出口から南へ300m 徒歩10分

車での行き方・駐車場

神社の裏に駐車場がありますが、ご祈祷を受けられる方のみ利用可能です。

参拝での駐車場利用はできませんので、近隣のコインパーキングを利用しましょう。

境内のご紹介

境内の施設や見どころを紹介します。

入り口

こちらが綱敷天神社の入り口です。

鳥居と神門があり、左側には末社の稲荷神社へ直通できる入り口(鳥居と神門)もあります。

多くの飲み屋などが立ち並ぶ立地のためか、迷惑駐輪がかなり多いようです。

夜間は門が閉じられて参拝はできなくなります。

立地の治安状況から考えると仕方ないですね。

境内

境内はなかなか広く開放感があります。

境内に入って左手には手水舎があります。

獅子狛犬

こちらは入り口の前に鎮座する獅子狛犬です。

昭和46年に奉納されたものです。

こちらは社殿前にある獅子狛犬です。

ブロンズ製でなかなか高い位置にあり、かなり大きく迫力があります。

大正4年に奉納されたもので、太平洋戦争の爆撃で溶けてしまったり、欠けてしまった部分をコンクリートで補修した跡が残っています。

社殿

社殿は1945年の大阪大空襲で焼失してしまい、現在の社殿は1956年(昭和31年)に再建された鉄筋コンクリート造りとなっています。

権現造りと呼ばれる社殿形式に属しますが、拝殿、幣殿、本殿と徐々に高さが上がっていく作りになっており、一般的な権現造りとは少々異なっています。

嵯峨天皇をお祀りしている所以であろうと推定されています。

【末社】喜多埜稲荷神社

商売繁盛の神様としてキタで商売をする方々から深い信仰を集めている稲荷神社です。

ご祭神喜多埜稲荷大神(宇賀御魂大神)
主なご利益商売繁盛
五穀豊穣

【末社】白龍社

白滝大神は龍神または白蛇の神様で家を守るご神徳をお持ちです。

古事記において道案内の神様である猿田彦大神も祀られています。

ご祭神白龍大神
猿田彦大神
主なご利益家内安全
方除け
交通安全

神牛

天神さんといえばおなじみの新牛です。

筆塚

嵯峨天皇は三筆のお一人、菅原道真公は三聖のお一人に挙げられる書の神様です。

当社には古くから筆塚があったようですが、戦災で損壊しそのままとなっていました。

昭和52年に株式会社ヤマシタの中野隆雄氏より奉納されたとのこと。

従軍記念碑

明治時代に日清戦争へと出征した氏子の無事を祈念して建立されたものです。

太平洋戦争集結時に軍国主義の遺物であるとして処分される予定でしたが、「いつの日か国家のために出征した人々の思いを偲ぶことを憚られない時代が来たときのため」に、氏子たちの手によって地中に埋められていたものです。

昭和52年に掘り起こされ現在地へ鎮座されました。

萬載橋

喜多埜稲荷大神の鳥居から社殿へと至る参道に「萬載橋(まんざいばし)」と彫られたいう石橋の欄干があります。

江戸時代末期に作られた石橋で浪速八百八橋の遺構です。

水の都・大阪
江戸時代、大阪は「江戸の八百八町」「京都の八百八寺」と並んで、「浪華の八百八橋」と呼ばれていました。
~~中略~~
大阪では、公儀橋は「天神橋」「高麗橋」などのわずかに12橋。残りの橋は、全て町人が生活や商売のために架けた「町橋」でした。町橋に対する幕府からの援助はなく、町人たちは自腹を切って橋を架けました。
自腹を切ってでも橋を架けた町人たちのこの勢いが、「浪華の八百八橋」と呼ばれる所以です。

大阪八百八橋 – 国土交通省近畿地方整備局

境外社

綱敷天神社には茶屋町NUの近くに「御旅社」、ヘップファイブの近くに末社「歯神社」があります。

詳細はそれぞれの記事でご覧ください。

綱敷天神社 御旅社

歯神社