服部天神宮の基本情報
服部天神宮は、医薬の神様「少彦名命(すくなびこなのみこと)」をご祭神として祀っており、全国的にも珍しい「足の神様」として、地域住民だけでなく、足の病気に悩む方、プロサッカー選手など健脚を願うアスリートなど全国から多くの参拝者が訪れる神社です。
学問の神様として有名な「菅原道真(すがわらのみちざね)」も合祀されており、学業成就、合格祈願などを祈願する参拝者も多いです。
毎年8月25日には足の守護神としての特殊神事「足の守護祈願大祭」を行っており、神職に形代で足をおさすりいただき、特別わらじ御守を授与いただくことができます。
正式名称 | 服部天神宮(はっとりてんじんぐう) 英)Hattori Tenjingu Shrine |
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通称 | 服部の天神さん、足の神様 |
所在地 | 561-0851 大阪府豊中市服部元町1-2-17 |
電話 | 06-6862-5022 |
参拝時間(開閉門) | 開門:午前6時 閉門: 10月~3月は午後6時 4月~9月は午後7時 |
授与所受付時間 | 同上 |
定休日 | なし |
公式サイト | http://www.apsara.ne.jp/hattori-tenjingu/ |
神社めぐり | 阪急沿線「三天神めぐり」 |
由緒・歴史、主な御利益
創建 | 不詳 |
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ご祭神 | 少彦名命(すくなびこなのみこと) 菅原道真(すがわらのみちざね) |
旧社格 | 村社 |
主な御利益 | 健康長寿、病気平癒(特に足の怪我や病気) 学業成就、合格祈願 |
昔、朝鮮を経由してやってきた秦の人々が、秦氏という姓名を与えられこの地へ住み着きました。
秦氏が、医薬の神様「少彦名命」を祀る小祠を建てたのが服部天神宮の始まりとされています。
延喜元年(西暦901年)、菅原道真公が太宰府へ左遷させる途中、このあたりで持病の脚気により足がむくみ歩けなくなりました。
菅原道真公は地元の村民に勧められ、「少彦名命」を祀る小祠へ向かわれました。
「少彦名命」を祀る小祠のそばには「川辺左大臣 藤原魚名公の墓」もありました。
菅原道真公は自身の足の治癒とともに、 藤原魚名公の墓もともらわれました。
するとまもなく菅原道真公の足の痛みやむくみは治まり、無事に太宰府へ到着されました。
菅原道真公が太宰府で亡くなられた後、 菅原道真公を神として尊崇する天神信仰が全国に広がり、 少彦名命 と菅原道真公を合祀する現在の「服部天神宮」となりました。
服部天神宮の裏鳥居に面した道は「能勢街道」と呼ばれ、江戸時代に「大阪」から「池田」「能勢」「亀岡」の通ずる主要な街道でした。
多くの人が行き交い、能勢街道の要所であった服部天神宮は大変な賑わいだったそうです。
主な祭礼、行事
服部天神宮では、境内社である豊中えびす神社も合わせて、毎年多くの祭礼が斎行されており、多くの人が参拝に訪れています。
その中でも人気の行事をいくつかご紹介します。
大祓
6月の末日(晦日)と12月31日(大晦日)に行われる半年間の罪や穢れを払う神道儀式。
茅萱で編んだ大きな輪をくぐることで罪・穢れを払います。
足の守護祈願大祭(夏天神祭)
8月24・25日の2日間にわたる夏天神祭と呼ばれる夏祭り。
24日は宵宮祭、25日が本祭です。
夕方からは夜店も並び多くの人で賑わいます。
25日の朝10時からは「足の守護祈願大祭」が行われ、神職が形代(かたしろ)で参列者の足をさすり、健脚を祈願する「足の神様」ならではのお祭りです。
例祭(秋祭)
服部天神宮の例祭は10月25日に斎行されます。
前後の日曜日にはギャル神輿や子ども神輿などが練り歩きます。
豊中えびす祭り
1月9・10・11日に行われ、毎年35万人もの参拝者で賑わう北摂屈指の十日戎(えべっさん)。
書類審査と面接を通過して数百人の応募から選ばれた25~35名の福娘がお勤めをすることでも人気です。
御朱印、授与品(お神札・お守り)
服部天神宮では、服部天神宮と摂末社である豊中えびす神社の2つの御朱印をいただくことができます。
御朱印はこちらの授与所でいただけます。
開門している時間内であれば授与所も開いており、御朱印をいただけるとのことです。
初穂料はそれぞれ300円です。
もちろんどちらかだけでも大丈夫です。
服部天神宮オリジナルの御朱印帳も1,500円で購入することができます。
1,500円には服部天神宮の御朱印料300円も含まれています。
もし、服部天神宮の御朱印帳を買った上で、豊中えびす神社の御朱印もいただく場合は、計1,800円となります。
授与所では絵馬や神札などもあります。
足の御守りも色々な種類で充実しています。
足だけでなく、安産、健康長寿、病気平癒など様々なご利益の御守りもあります。
行き方・アクセス
電車での行き方
阪急電車宝塚線「服部天神駅」から徒歩3分ほどです。
阪急梅田駅からの場合、「阪急宝塚本線」で宝塚方面(宝塚行き・雲雀丘花屋敷行き)の「普通」に乗りましょう。
準急や急行、特急だと服部天神駅には停まらないので、その場合は十三で一旦降りて「普通」に乗り換えです。
- STEP 1改札を出たら踏切を渡る
大阪市内方面からの場合、改札を出たら踏切を渡ります。
改札はひとつしかありませんので間違うことはないでしょう。 - STEP 2右へ曲がる
踏切を渡った後、すぐに右へ曲がります。
- STEP 3宝塚方面からの改札前を通過
宝塚方面からの改札前を通過します。
宝塚方面から来られた場合はここから同じです。 - STEP 4左へ曲がり服部元町商店街へ入る
服部天神宮参拝道という案内も出ています。
- STEP 5右へ曲がる
服部天神宮は右へという案内も出ています。
- STEP 6裏鳥居へ到着
到着です。
服部天神宮には東・西・南に3つの入り口があり、こちらは裏鳥居となります。
服部天神駅から来ると、この入り口が一番近いため、ここから入られる方が一番多いです。もしきちんと正門から入りたいという方は次のSTEPもご覧ください。
- STEP 1右へ曲がらずまっすぐ行く
裏鳥居へ行く場合は右へ曲がった道を曲がらずにまっすぐ進みます。
- STEP 2右へ曲がる
珈琲店「果琳」さんの角を右へ曲がります。
- STEP 3少しまっすぐ進む
少しまっすぐ進みます。
- STEP 4到着
こちらが服部天神宮の正門です。
正式な参拝方法にこだわるならこちらから鳥居をくぐって入り、手水舎でお清めしてから参りましょう。
駐車場
服部天神宮には境内に無料駐車場が6台分あります。
車で境内に入るのはなんとなく緊張しますが、空いている場合はありがたく使わせていただきましょう。
境内の無料駐車場を利用できるのは「神社の御用のある方」「参拝者」「服部幼稚園への園児送迎者」のみとなり、駐車時間は30分以内となっています。
もし境内の無料駐車場が満車の場合は、裏鳥居のそば(神社の西側)にタイムズのコインパーキングが2つあります。
- STEP 1モスバーガー服部店の小道へ左折する
国道176号線を北上し、服部本町の交差点の信号のひとつ手前の小道へ入ります。
モスバーガー服部店が目印です。
- STEP 2少し直進する
少々道が狭いですが、少し直進すると神社の玉垣が見えてきます。
- STEP 3南門から境内へ入る
こちらが境内の駐車場への入り口です。
境内のご紹介、見どころ
服部天神宮の主な施設を紹介しています。
境内には服部天神宮の社殿だけでなく、末社の豊中えびす神社や初酉稲荷神社、ぞうり堂や足踏み石など見どころもたくさんあります。
ちょこっと予習しておいて見落とさないようにしましょう。
鳥居
こちらが服部天神宮の東側にある鳥居です。
こちらが服部天神宮の西側にある裏鳥居です。
服部天神駅から歩いてくるとこちらに着くためこちらの鳥居の方が参拝者が多く賑わっています。
手水舎
鳥居をくぐり境内に入ると右手に立派な手水舎があります。
手水舎の中には服部天神宮のご祭神でもある「菅原道真公」の銅像があります。
参拝する前にこちらで手と口を清めましょう。
ぞうり堂
手水舎の奥にあるのは「ぞうり堂」です。
多くの草履が納められています。
服部天神宮は「足の神様」として、足に悩みのある多くの方が参拝に訪れています。
足の病が治癒した後にはお礼参りに訪れ、感謝の意として草履をお納めしています。
ぞうり堂では奉納された多数の草履が祀られています。
拝殿・本殿
拝殿は昭和27年に新しく造営されたもの、本殿は文政10年に造営されたものです。
拝殿には屋根があり、雨の日でもゆっくりと参拝することができます。
服部天神宮の社殿は後拝にもお参りができるようになっています。
上図は社殿の後ろに回った所です。
服部天神宮では神社の奉護のため、夜間は閉門され参拝ができなくなります。
ただし、裏鳥居からこちらの後拝までは常時開放されているので、夜間でも後拝前でなら参拝することができます。
摂末社
服部天神宮には末社が3社あります。
せっかく来たならどちらもお参りしておきましょう。
豊中えびす神社
「豊中のえべっさん」として地域の人々に親しまれているのが豊中えびす神社です。
えびす神社の総本社「西宮神社」の御分霊を勧請して奉祀しています。
ご祭神 | 蛭子大神(ひるこのおおかみ) |
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主なご利益 | 商売繁盛、開運招福、金運 |
御鎮座 | 昭和25年12月10日 |
御祭礼 | 1月9日(宵えびす)、1月10日(本えびす)、1月11日(残りえびす) |
公式サイト | http://toyonaka-ebisu.com/ |
商売の神様として、毎年1月9~11日の服部えびす祭では、多くの参拝者で賑わいます。
豊中えびす神社の社殿の後拝には、えべっさんの「たたき板」もあります。
えべっさんにお参りした後は、たたき板を木槌で叩いて念押ししておきましょう。
初酉稲荷神社(十二支稲荷社)
伊勢神宮外宮、伏見稲荷大社のご祭神である「宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)」を勧請して祀っています。
庶民の日々の生活の神様であり、「衣」「食」「住」、特に「稲作」の神として広く信仰されています。
ご祭神 | 宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ) |
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主なご利益 | 五穀豊穣、商売繁盛 |
御鎮座 | 江戸時代初期 |
十二支稲荷を祀っており、中央に「酉」、その周りの残りの十一支が祀られています。
稲荷神社といえば、お決まりのキツネもいます。
下には子キツネと思われる像も。
足踏み石
裏鳥居から入ってすぐの所には「足踏み石」があります。
靴を脱いで、「二礼二拍手一礼」の作法で拝礼した後、この台座に座って「足病平癒」「健脚」を祈願します。
川辺左大臣 藤原魚名公の墓・祖霊社・招魂社
正門から入ってすぐの右手にある建物が祖霊社です。
建物内には、中央に「川辺左大臣 藤原魚名公の墓」、右手に「祖霊社」、左手に「招魂社」が祀られています。
この五輪塔が、菅原道真公が太宰府に流されていく途中に供養を捧げたという「川辺左大臣 藤原魚名公の墓」です。
菅原道真公は約100年前に自分と同じく太宰府に流された魚名公に自分を重ね、「昨日は人の身、今日は我が身にふりかかるさだめか」と嘆き、懇ろに魚名公の墓を弔ったと言われています。
藤原魚名公は四条流包丁道を伝える四条家の祖であり、日本料理・割烹の祖神として料理飲食業の方の崇敬をあつめています。
祖霊社 招魂社
祖霊社と招魂社では神社にまつわる先祖の方々だけでなく、明治維新後の戦争などで国のために殉難した死者を奉祀しています。
豊中三大文化人の碑
境内には豊中市を代表する3人の文化人の墓も建立されています。
左から歌人「安田青風(やすだせいふう)」、画家「矢野橋村(やのきょうそん)」、書家「西田王堂(にしだおうどう)」のお墓です。
服部天神駅内のご神木
神社の境内ではないですが、阪急「服部天神駅」の構内では、ホームにご神木が生えているという珍しい光景を見ることができます。
ホームの床と屋根を突き抜けて生えている大木はクスノキです。
この服部天神駅がある場所も元々は服部天神宮の境内でした。
このクスノキは神社の境内にあったご神木として地域住民に親しまれていました。
そのためこの地に駅を作ることになった際に、伐採することなく残す形で駅が作られました。